なぜ針だけなのか?

鍼灸院、鍼灸マッサージ院、鍼灸接骨院など鍼灸と名のつく施術所は色々ありますが鍼のみ、ましてや鍼ではなく針という漢字で針専門の施術所は非常に数少ないと思います。
とはいえ、私自身ははり師だけでなくきゅう師、あん摩マッサージ指圧師、実は調理師の免許も持ってます。
まずは鍼ではなく針の字を選んだ理由は一般の方々に馴染みのある字を使った方がはり治療に親しんでもらえるのではないかと考えたからです。
はり師という資格は701年の大宝律令の時に既に記載があります。
今から1300年以上前からある医療を担うはりという施術が現在、世界の医学界では非常に注目されています。
中国、韓国では医師と同等の資格である中医師や韓医師の免許があり、彼らは鍼灸そして生薬の処方までこなします。
米国、カナダ、オーストラリア、英国などではドライニードリングという名称を使い、病院やクリニックなどの医療機関で理学療法士やカイロプラクターがはり治療を行なっています。
日本ではどうでしょう?
はり治療はあまり馴染みがありませんよね?
昔は日本でも医療の第一線で活躍していたはり治療はきっと現代でもそしてこれからの時代でも皆さんの健康に寄与するかけがえのない施術の一つになり得るし、そうなった方がきっと救われる人が少なからずいるだろうと私は思っています。
なぜならば、「もっと早くはり治療に出会っていればよかった」という言葉を当院で初めてはり治療を受けた方々から聞くからです。
現代の医療は偉大です。
各種の感染症、急性疾患、悪性腫瘍に対しても糖尿病などの慢性疾患に対しても素晴らしい対処法が確立されています。はり治療では決してできないことが現代医療では可能で、日々さらに進歩し続けています。
そのおかげで私たちの寿命は伸び、健康に生きられる時間が増えています。
しかし、現代医療では対応しきれないところもあります。
そこをはり治療でフォローできるのではないか?と私は考えています。
例えば、高齢になると胃腸の働きが低下していきます。
そうすると口から投与する薬の成分が胃腸で吸収しづらくなり、薬が効きづらくなっていきます。
そこではり治療をすると胃腸の働きが活性化されて薬が効きやすくなるのです。
または人生の終末期、体がつらさ、気持ちの寂しさに対して、手を握って寄り添うことしかできないかもしれません。しかし手を握るだけでなく、はり治療があれば体のつらさを緩めて、気持ちの寂しさに対してもっと深く寄り添うことができます。
もちろんこれらのことははりだけでなくきゅうでもあん摩マッサージ指圧でも可能かもしれません。
私が最も得意なのがはりであり、世界的にも科学的研究が進んでいるのもはりであり、日本であまり認知されていないのもはりです。
ならば、日本に世界で注目されているはり治療を普及させるためにやれることを全部やりたい、私はそう思っています。
ですので2022年1月から新たに首腰限定5分1,500円の5分針療というメニューを作りました。
はり治療の特徴の一つは即効性です。
1本打った瞬間効果が現れます。
であればその特徴を活かして短時間で効果が感じられることを皆様に知ってもらえればはり治療がどういうものか体で理解してどういう時にはり治療を受けると良いかがお分かり頂けるのではないか、と考えました。
まずははり治療の入り口としての役割をおかの針療院が担っていきたい。
そういう思いが当院の「針療院」という名称には込められています。

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